新幹線の予約を取る時、私はわざわざ「特大荷物スペースつき座席」を選んだ。
大きなスーツケースを持っていたからだ。
普通の座席より選択肢は少ない。
希望していた時間の列車も諦めた。
それでも、通路を塞いだり、周囲に迷惑をかけたりしたくなかった。
だから事前に調べて、正式に予約した。
これで安心して移動できる。
そう思っていた。
ところが、車内へ入り、自分の席まで進んだ瞬間。
私は足を止めた。
座席後方の特大荷物スペースに、すでに大きな黒いスーツケースが置かれていた。
しかも一つではない。
横向きに置かれ、私の荷物を入れる余裕はほとんど残っていなかった。
最初は、座席を間違えたのかと思った。
私はスマホを開いた。
列車名。
号車。
座席番号。
特大荷物スペースつき座席。
何度確認しても、間違っていない。
そこは、私が予約したスペースだった。
周囲を見ても、持ち主らしき人はいない。
荷物には連絡先もない。
私は通路にスーツケースを置いたまま、しばらく立ち尽くした。
後ろから来た乗客が、私の横を避けて通っていく。
早く荷物を動かしたい。
でも、他人のスーツケースへ勝手に触るわけにはいかない。
その時、前回の出来事を思い出した。
以前も、同じように予約したスペースを無断で使われたことがあった。
その時は持ち主が見つからず、車掌へ相談するまでずっと通路で待たされた。
結局、相手から謝罪はなかった。
「少しくらいいいじゃないですか」
そう言われて終わった。
今回は、もう黙って我慢するつもりはなかった。
私はまず、状況を写真に残した。
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