妻のバッグから出てきた一枚の領収書。
その紙を見た瞬間。
俺は8年間信じ続けた結婚生活が、全部嘘だったのかもしれないと思った。
日付は7月18日。
時間は深夜1時。
利用人数は2名。
滞在時間120分。
金額は4000円。
普通なら何の変哲もないレシートだった。
でも俺には分かった。
その日。
妻は俺にこう言っていたからだ。
「久しぶりに女友達だけで集まるから」
「今日は帰りが遅くなるかも」
俺は疑うことなく笑った。
「楽しんでおいで」
そう言って、財布からお金まで渡した。
結婚して8年。
妻を疑ったことなんて一度もなかった。
仕事で疲れて帰ってきても。
家事を手伝ってくれなくても。
「女性は色々大変だから」
そう自分に言い聞かせてきた。
休日も妻が友達と出かける日は、子どもの面倒を見ていた。
妻が笑ってくれるなら、それでいいと思っていた。
でも。
あの日だけは違った。
バッグの中から偶然出てきた一枚の紙。
最初は何か分からなかった。
でも、時間を見た瞬間。
手が止まった。
午前1時。
その時間。
妻は女子会にいると言っていた。
なのに。
そこに書かれていたのは、2名利用。
俺の頭の中で、妻の言葉が何度も響いた。
「女同士の話があるから」
俺は帰宅した妻に聞いた。
「これ、何?」
妻は領収書を見るなり、表情を変えた。
そしてすぐに笑った。
「え?知らない」
「友達のものが間違って入っただけじゃない?」
その反応で分かった。
これは偶然じゃない。
妻は嘘をついている。
俺が黙っていると。
妻は急に怒り出した。
「私のこと疑うの?」
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