「……俺の車、ユニコーンになってるんだけど」
仕事を終えて会社の駐車場へ向かった瞬間、思わず足が止まった。
愛車のボンネットの上に、赤いカラーコーンが堂々と立っていたのだ。
車の前にも「駐車禁止」と書かれたコーンが置かれている。正面から見ると、ボンネットから大きな角が生えたようで、まるでユニコーンだった。
一瞬、同僚のいたずらかと思った。
しかし、笑って済ませられる話ではない。硬い台座が塗装面に直接載せられており、移動させる際に引きずられていれば、傷がついている可能性もある。
そもそも、ここは会社が管理している駐車場だ。近隣マンションの住人が勝手に物を置いてよい場所ではない。
俺はコーンに触れず、その場で車全体と周囲を撮影した。
すると同僚が、「会社の防犯カメラを確認したほうがいい」と声をかけてくれた。
管理担当者と一緒に録画映像を確認すると、犯行の一部始終がはっきり映っていた。
マンションから出てきた人物が、会社の敷地へ入ってくる。
そして何の迷いもなくカラーコーンを抱え、俺の車へ一直線。周囲を見回すこともなく、ボンネットの上にドンと置いていた。
間違えて置いたような動きではない。
俺の車を目標にして、意図的にやっているようにしか見えなかった。
「これはひどいですね」
映像を見た担当者も、さすがに顔をしかめた。
俺はその場で警察へ通報。到着した警察官に、現場の写真と防犯カメラの映像を確認してもらった。ナンバーや車体の状態も記録され、コーンは警察官の確認後に移動させた。
ほどなくして、映像から近隣マンションの住人が関係していることが判明した。
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