9月1日から、ある地域の生活道路で新しい速度規制が始まった。
今まで法定速度60kmだった道が、中央線のない細い生活道路では30km制限になる。
「え、ここも30kmなの?」
最初に多かった声は、驚きだった。
通勤で毎日通る人。
子どもを学校へ送る親。
近所の住民。
誰もが「安全のためなら仕方ない」と思う一方で、不安もあった。
「これ、知らない人は普通にスピード出すんじゃない?」
「取り締まり場所になるだけじゃないの?」
そんな声がネットでも広がった。
そして規制開始から数日後。
ある住宅街の道路で、車を運転していた男性が一台の警察車両に気づいた。
道路脇。
草むらの近く。
遠くからでは見えにくい場所。
そこには速度を確認する機器と、取り締まりを行う警察官の姿があった。
男性は思った。
「ここで取り締まるより、もっと見える場所に立った方が事故防止になるんじゃないか……」
もちろん、速度違反を取り締まること自体は必要だ。
生活道路では、小さな子どもや高齢者が歩いている。
少しの速度超過が、大きな事故につながる可能性もある。
しかし住民たちが求めていたのは、罰金や点数を増やすことだけではなかった。
「事故が起きない道路にしたい」
その気持ちは、警察も住民も同じだった。
そこで町内会では、ある提案が出された。
「取り締まりの日だけじゃなく、普段から速度を意識してもらえるようにしたらいいのでは?」
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