「嘘でしょ……玄関が開かない!」
昼過ぎ、買い物へ出ようとして玄関のドアを押した瞬間、外で何かにぶつかる鈍い音がした。
力を込めても、ドアは数センチしか動かない。
のぞき窓から確認すると、Amazonで注文した飲料の段ボールが、玄関前に高く積み上げられていた。500mlのペットボトルが24本入った重い箱を含め、合計4箱。しかも、よりによって外開きのドアを塞ぐ位置だった。
置き配を指定したのは私だ。
だが、玄関から出られなくなるように置いてほしいとは一言も言っていない。
配達完了の写真を見ると、箱はドアの真正面にきれいに積まれている。配達員は撮影した時点で、ドアが開かなくなることに気づけたはずだ。
私は何度もドアを押したが、重い飲料の箱はほとんど動かなかった。勝手口はなく、窓から外へ出ることも難しい。
「もし今、火事が起きたら?」
そう考えた瞬間、背筋が冷たくなった。幼い子どもや高齢者がいる家なら、もっと深刻な事態になっていたかもしれない。
私はすぐにカスタマーサービスへ連絡し、配達完了の写真と、内側からドアを押しても開かない動画を送った。
ところが最初の担当者から返ってきたのは、
「置き配は正常に完了しております」
という、まるで状況を理解していない返答だった。
「問題は荷物が届いたかどうかではありません。唯一の避難経路が塞がれて、家から出られないことです」
私がそう伝えると、担当者はようやく上席へ確認すると言った。
しかし、荷物が動かなければ外へは出られない。仕方なく近所の方へ電話し、玄関前の箱を横へ移動してもらった。
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