「これ、まだ開けてないはずなんだけど……」
棚からオージュアのオイルを取り出した瞬間、嫌な違和感があった。
箱は閉じている。
でも中の商品を取り出してみると、鏡のような銀色のキャップに、指で触ったような跡がいくつも残っていた。
私はしばらく無言でそれを見つめた。
実は最近、家の中から化粧品が少しずつなくなっていた。
最初はリップ1本。
「どこかに置き忘れたかな」
そう思っていた。
ところが、次は別のリップ。
さらに新品のコスメまで場所が変わっている。
思い返すと、なくなるのは決まって姪っ子が遊びに来た後だった。
もちろん、最初から疑いたくはなかった。
だから問い詰めることもせず、手元に残っているものを確認し、なくなった物を1つずつメモした。
リップ。
ヘアケア用品。
未開封だったはずのオイル。
数えていくと、自分でも驚くほど多かった。
そして今日。
兄から、
「姪っ子を連れて行くよ」
と連絡が来た。
私は迷った。
子どものしたことだから、と黙って済ませるべきなのか。
でも、勝手に人の物を持ち出すことを「子どもだから」で終わらせたら、本人のためにもならない。
そこで、なくなった物の写真と購入履歴、手元に残っていた開封済みの商品をテーブルに並べた。
姪っ子たちが到着してしばらくしてから、私は兄に言った。
「ちょっと見てほしいものがあるんだけど」
兄は最初、何のことか分からない顔をしていた。
私は淡々と説明した。
「最近、姪っ子が来た後に化粧品が何個もなくなってるの」
「え?」
「これも未開封だった。
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