朝7時、出勤前に駐車場へ向かった私は、足を止めました。
「……え?」
そこに停まっていたのは、見覚えのない黒い車。
しかも、私が毎月料金を払って借りている契約駐車場の真ん中でした。
最初は何かの間違いだと思いました。
急な来客かもしれない。
数時間だけ停めているのかもしれない。
そう考えて、車の周囲を確認しました。
しかし、フロントガラスには連絡先もありません。
管理会社へ電話しても、契約者以外の情報は分からないとのこと。
私は仕方なく警察へ相談しました。
警察官が到着し、車両を確認。
持ち主へ連絡を取ることになりました。
しばらくすると、外国人の男性が現れました。
男性は、
「少しだけだから問題ない」
というような態度でした。
私は怒鳴りませんでした。
ただ、駐車場の契約書を見せ、
「ここは私が料金を払って借りている場所です」
と静かに伝えました。
男性は車を移動させ、その日は終わりました。
……そう思っていました。
ところが、それから2週間後。
また同じ場所に、同じ車が停まっていたのです。
私は思わずため息が出ました。
「またなのか……」
今回は前回の経験があったので、すぐに写真を撮りました。
車の位置。
ナンバー。
駐車場番号。
時間が分かるようにスマホで記録しました。
さらに、管理会社とのやり取りも保存。
証拠を一つずつ残しました。
そして警察へ連絡。
到着した警察官も、
「前回も同じ車でしたね」
と確認してくれました。
持ち主が現れるまで、私は黙って待ちました。
以前なら感情的になっていたかもしれません。
でも今回は違いました。
ルールを守って契約している側が、なぜ我慢しなければならないのか。
その気持ちだけでした。
やがて男性が現れました。
「また同じ場所ですか」
警察官の言葉に、男性の表情が変わりました。
私はスマホに保存した2回分の写真を見せました。
「1回なら間違いかもしれません。でも2回続くと、偶然では済まされません」
男性は何も言えなくなりました。
警察官からも、今後同じことを繰り返さないよう注意が入りました。
その後、管理会社にも報告。
駐車場には注意表示が設置され、巡回も増えることになりました。
数日後。
私はいつものように自分の駐車場へ向かいました。
そこには、もう知らない車はありませんでした。
今回のことで思ったことがあります。
国籍や見た目ではなく、大切なのは「決められたルールを守ること」。
普通に生活している人同士なら、トラブルは話し合いで解決できます。
でも、誰かが我慢することで成り立つ生活は長く続きません。
私はこれからも感情ではなく、証拠と冷静な対応で自分の権利を守っていこうと思います。