実家の郵便受けから出てきた1枚の封筒。
何気なく開いた私は、次の瞬間、思わず手が止まりました。
「え……これ、本当に母の通知書?」
そこに書かれていた数字を何度も見返しました。
年金支払額。
約12万円。
しかし、その下には見慣れない項目が並んでいました。
介護保険料。
なんと3万8400円。
さらに医療保険料なども差し引かれ、実際に振り込まれる金額は約8万円。
でも母は普段、
「年金は月4万円くらいしかないから、節約しないとね」
と言っていたのです。
私は混乱しました。
「どうして通知書には12万円と書いてあるのに、母は4万円と言っているの?」
母に聞いても、
「昔の記憶だからね。もう細かいことは分からないのよ」
と笑うだけ。
でも、私はどうしても気になりました。
母は70代後半。
父が亡くなってから一人暮らしを続け、毎月食費を削りながら生活していました。
冬でも暖房を我慢し、
「電気代がもったいないから」
と厚着をして過ごしていた母。
そんな母から、
「病院代が怖い」
「介護のお金なんて払えない」
という言葉を何度も聞いていました。
なのに通知書を見ると、かなりの金額が引かれている。
私は翌日、市役所へ確認に行きました。
窓口で通知書を見せると、担当の方が丁寧に説明してくれました。
「まず、この金額は年金そのものから引かれる保険料です」
「介護保険料は年齢や所得状況によって決まります」
「ただし、実際の負担感は人によって大きく違います」
そこで初めて私は知りました。
母は年金額だけを見て生活費を計算していたこと。
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