スーパーの入口で、2歳くらいの男の子が床に寝転がり、この世の終わりかと思うほど泣き叫んでいた。
「イヤーーー!」
足をバタバタさせ、声は入口中に響いている。
その横には、生後半年くらいの赤ちゃんを抱いたお母さん。
片腕で赤ちゃんを支えながら、もう片方の手で男の子を起こそうとしていた。
でも男の子はさらに泣く。
「もう、いいかげんにしてーっ!」
ついにお母さんも声を荒らげた。
その顔を見た瞬間、私は責める気にはなれなかった。
怒っているというより、完全に追い詰められていたからだ。
目には涙が浮かび、赤ちゃんまで不安そうにぐずり始めている。
買い物袋。
赤ちゃん。
泣き叫ぶ2歳児。
お母さんの手は、明らかに足りていなかった。
私は少し迷ったあと、声をかけた。
「お母さん、何かお手伝いできることありますか?」
お母さんは驚いたように私を見た。
そして、泣きそうな顔のまま言った。
「何言っても全然あかんくて……」
その声を聞いて、これは単なる「イヤイヤ期で大変」という話ではないと感じた。
もう、お母さん自身が限界だった。
私は男の子から少し距離を取りながら聞いた。
「お母さん、車で来られたんですか?」
お母さんはコクンとうなずいた。
私は少し考えてから言った。
「もしよかったら、この子が少し落ち着くまで私がここにいます」
そして、
「お母さんは赤ちゃんと一緒に、車で少し休んできませんか?」
と続けた。
もちろん知らない人間に子どもを任せるのは不安だと思ったので、私はさらに言った。
「心配なら入口から見えるところにいてください。
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