「ママ、ドア開かない!」
夜、寝る支度をしていた時、娘の声が廊下に響いた。
寝室のドアで遊んでいた娘が、何かの拍子に外側から鍵をかけてしまったらしい。
幸い娘は廊下側にいたので閉じ込められたわけではない。
でも、寝室には布団もスマホの充電器も、翌朝使う仕事道具も全部入っている。
「ちょっと待って、なんで外から鍵かかるの?」
私がドアノブを何度回しても、びくともしない。
すると息子が横からのぞき込み、
「ここに穴あるよ。ここ押したら開くんじゃない?」
と、ドアノブ中央の小さな穴を指さした。
私は工具箱を探そうとした。
しかし息子の方が早かった。
「爪楊枝でいけるんじゃない?」
「待って、それ折れたら――」
パキッ。
嫌な音がした。
3人とも無言になった。
「……折れた」
息子が小さな声で言う。
穴を見ると、爪楊枝の先端が完全に奥へ入り込んでいる。
指では取れない。
ピンセットも届かない。
別の細い棒を入れようとしても、折れた爪楊枝が邪魔をして入らない。
「さっきより状況悪くなってない?」
私が言うと、息子はしょんぼり。
娘は横で、
「ごめんなさい……」
と今にも泣きそうな顔をしている。
責めても仕方がない。
私は一度、全員に触るのをやめてもらった。
次にドアノブそのものを外せないか確認した。
取っ手を引っ張り、台座の周囲も見たけれど、表から見えるネジがない。
びくともしない。
ネットで似たドアノブの写真を探してみても、製品によって構造が違う。
無理にこじ開けてドアまで壊したら、修理代の方が高くなる。
夫に電話すると、
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