午後3時28分、仕事中の私のスマホに、母から突然こんなメッセージが届いた。
「便器ですか?」
私は画面を二度見した。
……便器?
何の話だ。
実家のトイレが壊れたのか、それとも何か買ってほしいのか。
考えているうちに、すぐ2通目が届いた。
「間違えました」
なるほど。
入力ミスだったらしい。
ところが安心したのも束の間、3通目を見て私は吹き出した。
「お便器ですか?」
全然直ってない。
むしろ丁寧になっている。
さっきまでただの「便器」だったのに、今度は「お便器」。
私は笑いをこらえながら、
「違います」
とだけ返した。
すると数分後、ようやく母が本当に送りたかったらしい文章が届いた。
「お元気ですか?」
そういうことか。
「お元気」が、なぜか「お便器」になっていたらしい。
私は、
「元気やで。そっちは?」
と返信した。
すると今度は比較的まともな文章が返ってきた。
「こちらも元気です。お父さんも元気です。」
ここまでは完璧だった。
私は少し安心した。
母もスマホの文字入力に慣れてきたんだな、と。
しかし、その直後。
続きの文章を読んだ私は、笑いが完全に止まった。
「早く帰ってこれるといいで死ね」
……え?
「死ね」?
さっきまで「元気ですか?」と心配してくれていた母が、最後の最後で突然ものすごい暴言を投げてきた。
しかも文章の流れだけ見ると、
「早く帰ってこられるといいですね」
と言いたかったことは、ほぼ間違いない。
「ですね」の「す」が、どこかへ消えてしまったのだろう。
けれど、画面には容赦なく、
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