近所のスーパーへ買い物に行った日のことだった。
入口近くにある「お客様の声」の掲示板を、何気なく眺めていた。
お褒めの言葉。
商品の要望。
店員への感謝。
時には厳しい苦情もある。
普段なら、数枚読んでそのまま通り過ぎる。
でも、その日は一枚の投書から目が離せなくなった。
書き出しは、こうだった。
週2回、近くのジムに通っている。
その帰りにスーパーのイートインへ寄り、コーヒーを飲む。
仲間たちと一緒に笑い、話し、最後に買い物をして帰る。
それが至福の時間だった――。
ここまでなら、よくある話だと思った。
運動の後に友人と休憩する。
コーヒーを飲みながら会話を楽しむ。
高齢者に限らず、誰にとっても大切な時間だろう。
ところが、その後の文章を読んで、私は眉をひそめた。
「時には大笑いをし」
「時には大声で話し」
そして、店内に会話を控えるよう求める貼り紙が出たことや、近隣施設へ苦情が伝えられたことに対し、
「それが迷惑だったのですね」
「本人に注意すればいいことなのに」
「逆カスハラではないですか」
と書かれていた。
私は思わず、もう一度最初から読み直した。
待って。
大声で話していた自覚はあるんだ。
長く滞在していたことも、否定していない。
それなのに、注意する側がおかしいという結論になるのか。
投書を書いた人には、その人なりの事情があったのだと思う。
仲間と会えるのが楽しみだった。
年金生活の中で、コーヒー一杯を囲む時間が大切だった。
それ自体を責めるつもりはない。
でも、イートインは個人の談話室ではない。
スーパーで買った商品を食べたり、少し休憩したりするために、さまざまな客が使う場所だ。
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