新幹線のグリーン車――。
静かな車内には、乗客たちが仕事や読書に集中する穏やかな時間が流れていた。
その中で、一人だけ落ち着かない様子の人物がいた。
窓側の席に座る六十二歳の男性、東郷純一郎。
彼は大手企業である統合グループの最高顧問を務める人物であり、普段から多忙な日々を送っていた。
この日も、新規プロジェクトの最終確認を終え、東京へ戻る途中だった。
「よし……これで資料の確認は完了だ。あとは取締役会で最終判断を下せばいい」
膝の上には高性能のノートパソコン。
東郷は貴重な移動時間を利用して、最後の仕事を片付けていた。
しかし、その集中は突然破られることになる。
ドンッ……。
背後から強い衝撃が伝わった。
「……?」
一度なら気のせいだと思った。
しかし数秒後。
ドンッ!
また背もたれが大きく揺れた。
後ろの席を見ると、小さな男の子が楽しそうに足で東郷のシートを蹴っていた。
その隣には母親らしき女性が座っている。
東郷はしばらく様子を見た。
だが、母親はスマートフォンを見たまま、注意する様子が全くない。
「お母さん、暇だよ。遊んで」
「はいはい、静かにしててね」
口ではそう言うものの、子供の行動を止める気配はない。
むしろ女性はネットニュースを見ながら、芸能人の不倫話に夢中だった。
「やっぱりあの人、不倫してたんだ。怪しいと思ってたのよね」
そんな会話をしながら、子供はさらに勢いよく座席を蹴り始めた。
ドンッ! ドンッ!
東郷のパソコンが揺れる。
「このままでは仕事にならないな……」
東郷は深く息を吐いた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=lKRbtyDWiRE&t=3s,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]