一村夏彦、29歳。高校・大学と同じだった元カノ、未来とは七年前に別れたが、心の奥ではずっと彼女を引きずっていた。社会人になった休日、偶然街で再会した未来は、昔と変わらない笑顔で俺を迎えた。ぎこちない挨拶の後、互いに連絡先を交換しなかったことを後悔したのは、再会してからのことだった。
再会から一週間後、春の嵐で電車が止まり、帰宅困難になった俺は思い切って未来を自宅に誘った。予想に反し、彼女は嫌そうな顔ひとつせず、「じゃあ、止まっていく」と答えた。雨の音が静かに響く中、二人はアパートへ向かい、冷えた体を温めるために入浴。紅茶を入れながら久しぶりに見る未来の笑顔に、胸が高鳴った。
しばらく談笑していたが、布団が一つしかないことに気づき、冗談めかして「一緒に寝る?」と聞くと、未来は一瞬躊躇したように伏せ目がちになった。「さすがに彼氏いるよね?」と俺が聞くと、首を横に振り、「いない。別れてから付き合った人もいたけど、全然続かなくて…やっぱりあなたのこと忘れられなくて」と告白してくれた。
その言葉を聞き、俺は布団を共有することにためらいはなかった。台風の夜、二人きりで一つの布団に入り、互いの温もりを感じながら、過去の誤解や距離を少しずつ埋めていく。七年間の想いが静かに溶け、自然に心が通じ合う瞬間だった。
翌朝、未来は穏やかな笑顔で紅茶を入れようとするが、俺は手を取り、そっと未来の手をおかに添える。過去の後悔も、遠ざかっていた心も、この夜で少しずつ浄化された気がした。
その後、俺たちは再び付き合い始め、半年後には結婚。七年の時を経て、ようやく互いの幸せを確かめることができたのだった。
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