宅配の配達完了通知が届いたのは、午後二時すぎだった。
その日は娘の通院で外出しており、荷物は置き配ではなく、必ず対面受け取りにしていた。
中身は、仕事で使う高価な撮影機材だった。
届く時間に合わせて帰るつもりだったのに、スマホにはなぜか「配達完了」の文字が表示されている。
嫌な予感がして配送会社へ連絡すると、担当者は少し戸惑った声で言った。
「ご家族の方が受け取られたと記録されています」
家族。
その言葉に、私はすぐ違和感を覚えた。
夫は出張中で、娘は私と一緒に病院にいる。
その時間、我が家に荷物を受け取れる人間はいなかった。
急いで帰宅すると、玄関前に荷物はなかった。
ポストにも不在票はない。
私はその場で配達員さんに折り返しをお願いし、受け取り時の状況を確認した。
すると配達員さんは申し訳なさそうに説明した。
「隣の奥様が出てこられて、『ここの奥さんに頼まれているから』とおっしゃって……お名前も苗字が同じように聞こえたので、お渡ししてしまいました」
隣の奥さん。
同じ幼稚園に子どもを通わせている真理子さんの顔が、真っ先に浮かんだ。
以前から彼女は、人の持ち物や家庭事情に妙に興味を示す人だった。
新しいバッグを持てば「それ高いんでしょ」と言い、宅配便が届くと「また何か買ったの?」と笑う。
けれど、まさか荷物を騙し取るとは思っていなかった。
私はすぐ隣の家を訪ねた。
インターホンを押すと、真理子さんは妙に明るい顔で出てきた。
「何か用?」
私はできるだけ冷静に言った。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=YIA1sJ_tvUw,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]