「せいぜい治療を頑張ればいいさ。まあ、もう遅いだろうけどな」
病室に響いた夫・光男の冷たい声を、私は一生忘れることはない。
「二ヶ月後、お前が死んで遺産が入ったら、早紀と再婚するからな」
余命二ヶ月と告げられたばかりの私に向かって、彼は平然とそう言い放った。
私の名前は、たまき。学生時代に起業した会社を二十年以上守り続けてきた経営者だ。
仕事は忙しかったが、家庭にも恵まれていると思っていた。
夫の光男とは社会人になってから出会い、結婚を機に彼は私の会社へ入り、現在は副社長として私を支えていた。そして私たちの間には、真一という息子が生まれた。
真一は幼い頃から聡明で、今では国内有数の進学校で優秀な成績を収めるほどの青年になっていた。
周囲から見れば、私は幸せな人生を歩んでいるように見えただろう。
しかし、その日常は一人の女性によって少しずつ崩れていった。
彼女の名前は早紀。私が秘書として採用した若い女性だった。
だが、早紀は仕事でミスを繰り返した。重要な取引の日程を間違えたり、待ち合わせ場所を誤ったり、会社の信用に関わる失敗ばかりだった。
当然、私は注意をした。
「早紀さん、あなたのミスは会社全体に影響するのよ。もう少し責任を持って仕事をしてちょうだい」
しかし、彼女は反省するどころか、不満そうな表情を浮かべるだけだった。
さらに私が驚いたのは、そんな早紀をいつも庇う光男の姿だった。
「誰にでも失敗はあるだろ。そんなに怒るなよ」
以前なら私の味方をしてくれていた夫が、なぜか彼女ばかりを守る。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=luuChBAj7Po,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]