仕事から帰ると、リビングのテーブルに一枚の置き手紙があった。
「家族全員で旅行に行ってくる。夕飯は適当に済ませて」
たったそれだけの文章だった。
私はしばらく、その紙を見つめたまま動けなかった。
家族全員。
そこに、私は入っていないらしい。
夫と結婚して七年。
義両親と同居を始めてから、私は家事も介護も親戚付き合いも、できる限りこなしてきた。
夫の給料だけでは足りない月は、私の給料から生活費を補い、義母の通院にも付き添った。
それなのに、義両親、夫、義妹夫婦、そしてその子どもたちは、私だけを置いて温泉旅行へ行った。
しかも、私が残業で帰れない日をわざわざ選んで。
台所を見ると、洗い物は山のように残っていた。
冷蔵庫には食材がほとんどない。
洗濯機の中には、出発前に脱ぎ散らかした服が詰め込まれていた。
私は笑った。
怒りより先に、妙に頭が冴えていった。
「そうか、私は家族じゃないんだ」
その瞬間、私の中で何かが静かに切れた。
翌日、私は会社を半休にして、通帳と保険証券、家計簿、夫名義だと思われていた支払いの明細をすべて確認した。
家の固定資産税の一部、義母の医療費、義妹の子どもの習い事代まで、私の口座から引き落とされていた。
夫に頼まれて立て替えたまま、返ってきていない金額もかなりあった。
さらに、夫のパソコンには旅行の予約メールが残っていた。
そこには、私を除いた人数分の高級旅館の予約。
備考欄には、こう書かれていた。
「嫁は仕事で不参加。家族だけでゆっくりしたいです」
私はそれを印刷し、写真にも残した。
それから弁護士に相談した。
離婚を前提に、財産分与、生活費の負担記録、義実家への金銭援助、精神的な扱いについて整理してもらった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=m-iF07_5Qqc,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]