ストリートピアノ。その響きに憧れ、娘は毎日キーボードに向かっている。マンションの規約上、ピアノを置くことはできない。だからこそ、駅や商業施設に置かれた「誰でも自由に弾けるピアノ」は、娘にとって魔法のような場所だった。
先日の休日、少し遠出した先で、私たちはその魔法のピアノに出会った。広場の中央、堂々と佇むグランドピアノ。
娘の目は輝き、弾む足取りでピアノへと向かった。
しかし、その瞬間だった。まるで壁を作るかのように、ピアノを囲んでいた3人の女性が立ち塞がった。
「上手くなってから弾こうね」
突き放すような冷たい声だった。まだ4歳。背伸びをしてようやく鍵盤に手が届く程度の小さな娘を、彼女たちは見下ろすようにしてそう告げた。横には「誰でも自由に演奏してください」という看板がある。それなのに、娘の楽しみは一瞬で奪われた。
「お母さん、どうして?」
不安げに振り返る娘の背中を撫でながら、私は言葉を詰まらせた。そこへ、もう一人別の女性が走ってくるのが見えた。「朝日、ごめん! 他の人に場所を取られないようにしておくからね。
さすがでしょ?」と、仲間と合流する会話が聞こえてくる。
どうやら、彼女たちは「場所取り」をしていたらしい。夫は娘を優しく諭した。「順番だよ、あの人たちが弾き終わったら僕たちの番だ」。娘は素直に「わかった」と頷き、順番を待つことにした。
だが、そこから始まったのは、終わりの見えない「身内によるリサイタル」だった。
女性4人が、交代で次々と演奏を披露していく。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=pe_2__zuhW0,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]