息子が川崎病で7日間入院した。
会計窓口で明細を受け取った瞬間、私はその場で固まった。
医療費の合計は、1,092,150円。
100万円を超える数字に、指先が冷たくなった。
カードの限度額で足りるのか。
両親に頭を下げるしかないのか。
そんなことを考えながら請求欄を見ると、そこに書かれていた金額は――11,000円だった。
何度見直しても、間違いではなかった。
保険と子どもの医療費助成によって、私たちが窓口で支払う金額は大幅に抑えられていたのだ。
息子は入院中、免疫グロブリンによる治療を受けた。
使われたのは6瓶。
薬剤だけでも高額で、献血によって提供された血液から作られていると聞いた。
名前も顔も知らない誰かが献血してくれたから、息子は必要な治療を受けられた。
税金を納めている人がいる。
制度を支えている人がいる。
昼夜を問わず息子を診てくれた医師や看護師がいる。
私はそのすべてに感謝し、会計明細の写真と一緒にSNSへ投稿した。
ところが、コメント欄に信じられない言葉が書き込まれた。
「自分の子どもの治療費を、他人の税金で払わせただけだろ」
「1万円しか払っていないことを自慢するな」
胸が締めつけられた。
私は得をしたと喜んでいるのではない。
多くの人に支えられ、息子の命が守られたことに感謝しているだけだった。
しかし、その人物は私の投稿を何度も転載した。
「7日間の入院」
「川崎病の治療」
「免疫グロブリン6瓶」
都合の悪い部分だけを消し、109万円と11,000円の数字だけを並べた。
さらに、私たちが高級な個室に泊まり、費用をすべて他人に負担させたかのような内容まで書き始めた。
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