離婚して丸3年。
年収2000万円の元夫が、突然私たちの前に現れた。
三連休を終えたばかりで、現在のパートナーの口座残高は1800円。
私も仕事を辞めたばかりで、収入はゼロだった。
元夫はスマホの画面を見るなり、声を上げて笑った。
「離婚までして選んだ男がこれか?」
「俺といれば高級マンションにも住めたのに」
その日は共通の知人も一緒だった。
元夫は新しい高級車の鍵を見せ、最近買った家や予約困難なレストランの話を始めた。
そして、パートナーへ言った。
「連休の出費すら払えない男が、どうやってこいつを幸せにするんだ?」
彼は言い返さなかった。
残っていたお金で卵と野菜、安い鶏肉を買い、私の好きな料理を作ってくれた。
豪華ではなかった。
けれど、一口食べた瞬間、私は安心して笑えた。
元夫との結婚生活では、そんな夜は一度もなかった。
彼は確かに高収入だった。
しかし、私の通帳もカードもすべて管理していた。
友人と会うには許可が必要。
服を買えばレシートを提出。
実家へ帰りたいと言えば、
「誰の金で生活していると思っている」
そう言って外出を禁じられた。
生活費を渡すたび、恩を着せられた。
私は妻ではなく、金で飼われた所有物だった。
「私が離れたのは、お金がなかったからじゃない」
そう伝えると、元夫は鼻で笑った。
「金のない自由に価値なんてない」
するとパートナーが静かに私の手を握った。
「彼女は無職でもいい」
「でも、もう二度と尊厳まで奪わせない」
元夫はその言葉を聞いても笑っていた。
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