夫が亡くなってから、私は実家で一人静かに暮らしていた。築三十年、古いが手入れは怠っていない。ところが春先、長男夫婦が突然「心配だから様子を見に来た」と言って合鍵で出入りし始め、嫌な予感が胸に刺さった。
数日後、玄関を開けた瞬間に言葉を失った。壁紙は真っ白、床は高級フローリング、キッチンは最新式。――勝手にリフォームされていたのだ。
長男嫁は満足げに腕を組み、「同居するなら1000万。嫌なら出て行け!」と平然と言い放つ。ここは私の家だ。なぜ私が追い出されるのか。
そして工事が完成した日、長男嫁は請求書の束を差し出し、笑って言った。
「支払いよろしくw。親なんだから当然でしょ?」
私は息を整え、静かに返した。
「同居はしないわよ」
「え?」長男嫁の笑顔が固まる。
私は淡々と続けた。「そもそも、この家の所有者は私。あなたが依頼した工事は、私の承諾も署名もない。
無断改修は不法行為よ」――実は、リフォームの気配を感じた時点で、私は司法書士と弁護士に相談し、登記簿も契約書も確認していた。工務店との契約者は長男。支払義務も長男夫婦にある。私に請求する根拠は一切ない。
さらに決定打を告げた。「私は来月、シニア向けマンションに移る。家は売却手続きに入っているの」長男嫁は青ざめ、「そんなの聞いてない!」と叫ぶ。
だが、聞かせる義務がない。勝手に改修した結果、むしろ売却には“瑕疵扱い”の説明が増え、余計な費用もかかる。私は冷静に言った。「あなた方には原状回復か損害賠償を求めることになるわ」
その夜、長男から泣き声混じりの電話が来た。「ローンが通らない、工務店に催促されてる…」私は一言だけ返した。「家族なら、まず人の家を奪う真似はしないことね」
数週間後、長男嫁は近所で「義母が払わない」と騒いだが、工務店は契約書を突きつけ、支払督促を長男に出した。結果、長男夫婦は自分たちの貯金を崩し、さらに借金まで背負う羽目に。私はというと、売却は弁護士同席で粛々と進み、引っ越しも完了した。
最後に長男嫁が吐き捨てた。「こんなはずじゃ…」
私は玄関の鍵を返しながら、静かに微笑んだ。
「“身の程”を知るのは、どちらだったかしらね」
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=xni2h1vj7M4,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]