「今の家賃と同じくらいの支払いで、マイホームが持てますよ」
その言葉が、すべての始まりだった。
俺は38歳の会社員。
妻と3歳の息子との3人暮らしだった。
もともと俺は賃貸でも構わないと思っていた。
だが同僚の新築を見てから、急に「自分も家を持ちたい」と思うようになった。
銀行では、当初の金利が低い変動金利を勧められた。
妻は心配した。
「金利が上がったらどうするの?」
それでも俺は、
「そんなに急に上がるわけがない」
「早めに繰り上げ返済すればいい」
と押し切った。
30年ローンで、念願の一戸建てを買った。
最初は嬉しかった。
同僚を招き、自分の書斎まで自慢した。
だが数年後、金利が少しずつ上がり始めた。
月々の返済負担も重くなった。
その頃、妻は正社員に戻る予定だった。
俺はその収入まで家計に入るものとして考えていた。
ところが妻の妊娠が分かった。
2人目の子どもは嬉しかった。
「大丈夫。俺が何とかする」
そう言ったものの、実際には何ともならなかった。
旅行をやめた。
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