休日の午後、近所のパン屋へ立ち寄った。
店内には焼きたてのパンが並び、多くの客がトレーとトングを持って商品を選んでいた。
棚の近くで順番を待っていると、柱に掲示された1枚の紙が目に入った。
「お子様を抱っこされているお客様へお願い」
その見出しを見た瞬間、私は子連れ客に対する厳しい注意書きだと思った。
泣き声を出さないようにする。
店内を歩かせない。
商品へ触れさせない。
そんな内容を想像しながら続きを読んだ。
しかし、書かれていたのは別のことだった。
「お靴の位置がパン棚より高くなってしまう場合、ご配慮くださいますようお願い申し上げます」
それだけだった。
抱っこしている大人にとって、子どもの足は腰から胸の高さにくる。
その位置は、パンが並ぶ棚とほぼ同じだ。
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