「社員旅行は仕事なの。連絡しないで」
妻の陽子にそう言われた瞬間、俺は病院の廊下でスマホを握りしめたまま、声を失った。
倒れたのは陽子の父、大橋建設の社長である大橋康介。
俺にとっては義父であり、建築士として働くこの会社で、何度も厳しく、そして温かく導いてくれた人だった。
その日、康介社長は社長室で突然倒れた。
秘書課の斎藤さんが血相を変えて設計部まで走ってきて、俺は何も考えられないまま社長室へ向かった。
救急車で運ばれ、病院に着いた時には、義母の真紀さんも泣き崩れそうになっていた。
医師から告げられたのは心臓発作。
処置は終わったものの、容態は予断を許さないという。
だから俺は、社員旅行中の陽子に何度も電話をかけた。
だが彼女は出なかった。
会社からも、義母からも連絡した。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=LhWFGGtahn0,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]