「その衣装は空ちゃんのものよ」
義姉の京香さんは、平然とそう言い放った。
私は一瞬、耳を疑った。
「何を言っているんですか? そのドレスは、もともと私が娘のひなのために作ったものです。それを勝手に持って行って、返してきた時にはボロボロになっていたじゃありませんか」
この出来事の始まりは、夫・純也のある一言だった。
「悪い。その日は空のピアノ発表会があるから、ひなのダンス発表会には行けない」
私は何度も伝えていた。
娘の大切な発表会の日。
ひなが一生懸命練習してきた姿を、父親にも見てほしかった。
しかし純也は、いつも同じだった。
「姉ちゃんは一人で大変なんだよ。空には才能があるし、ひなにはお前がいるだろ?」
また空ちゃん優先。
空ちゃんは夫の姪っ子だった。
京香さんがシングルマザーだからという理由で、純也は何かにつけて空ちゃんを優先した。
娘のひなよりも。
妻である私よりも。
結婚して8年。
純也は一度も、私の話を最後まで聞いてくれたことがなかった。
だから私は、いつしか何も言わなくなった。
言っても無駄だと分かっていたから。
そんなある日、京香さんから手紙が届いた。
「結婚することになったから、ひなちゃんにリングガールをお願いできないかな?」
ひなは嬉しそうに笑った。
「ママ、かわいいドレス作ってくれる?」
「もちろん。世界で一つだけのドレスを作ってあげる」
私は心を込めて作った。
生地選びから始め、細かい刺繍まで一つ一つ丁寧に仕上げた。
ひなのためだけの特別な一着。
しかし、その努力を純也は理解しなかった。
「また姉さんの内職手伝ってるのか? 主婦は暇でいいよな」
その言葉に胸が痛んだ。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=QMia6Hsb9Zc&t=4s,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]