深夜、文化放送のスタジオから流れた声に、空気が一瞬だけ張り詰めた。石破茂元首相が、高市内閣の農業政策を語り始めたのである。鈴木農相が掲げる「需要に応じた生産」や、備蓄米を含めたコメ政策に触れつつ、石破氏は淡々と数字を突きつけた――表向きの食料自給率は38%だが、肥料も燃料も輸入頼みの現実を踏まえれば、実質は10%台まで落ち込む、と。
さらに彼は、過去最大規模の防衛費を引き合いに出す。「どんなに飛行機や戦車を買っても、食べ物がなければ国は守れない」。農業を国家安全保障の根幹に据えるべきだという主張は、確かに筋が通って聞こえた。――ここまでは。
だが、視聴者の胸に刺さったのは、その“正論”の後だった。石破氏は笑いながら告げたのだ。「党内で意見を言えば“後ろから鉄砲を打った”と言われるから言わない。不愉快だから言わない。でも、メディアでは言いますよ」。この瞬間、言葉は提言ではなく、自己矛盾の告白へと変質した。
党内で戦わず、外でだけ語る。安倍政権、菅政権の頃から続く“批評家の立ち位置”が、ここでも顔を出した。
農政に危機感があるなら、なぜ会議や委員会で正面から修正を迫らないのか。影響力のあるベテランなら、内部で火を起こせるはずだ。
ネットは即座に冷えた。「それこそ背中から撃っているのでは」「敗れた将が遠吠えしている」「良きリーダーの前に、良きメンバーであれ」。中には「そこまで合わないなら離党か新党だろ」と皮肉も飛んだ。
正しいことを言う以前に、果たすべき役割がある――石破氏の発言が“情けなさ”と受け取られた理由は、そこに尽きる。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=BVlx1tHDd9o,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]