小学1年生の息子が、初めて1人で飛行機に乗ることになった。
目的地は東京。
単身赴任中の夫に会うためだった。
本人は「1人で行ける」と張り切っていたが、空港へ向かう車の中では急に無口になった。
チェックインカウンターで手続きを終え、係員さんに引き渡す直前、息子が私の服の袖を握った。
「やっぱり、ママも一緒に来て」
その一言で、私まで泣きそうになった。
けれど係員さんは息子と同じ目線までしゃがみ、搭乗券を見せながら笑顔で話しかけてくれた。
「東京まで私たちと一緒に冒険しよう。パパも待っているよ」
さらに、誰が到着空港で迎えるのか、夫の連絡先や身元確認の方法まで丁寧に確認してくれた。
息子は小さくうなずき、私に手を振った。
保安検査場の向こうへ消えていく背中を見た瞬間、胸が締めつけられた。
もし機内で泣いたら。
トイレへ行きたくなったら。
到着後、夫を見つけられなかったら。
不安になって何度もスマホを確認していると、夫から連絡が来た。
「無事に会えたよ」
添えられた写真には、少し誇らしげな息子が写っていた。
到着時、係員さんは迎えに来た夫の身分証明書を確認し、間違いなく引き渡すところまで付き添ってくれたという。
息子は飛行中、客室乗務員さんと機内から見える景色の話をしたり、飲み物を注文したりして、意外なほど落ち着いて過ごしていたらしい。
数日後、東京から帰ってきた息子の荷物を整理していると、小さな袋が出てきた。
中には機内用のコンソメスープと、星のシールが貼られた手書きのカード。
「みなとくんの保護者の方へ。本日は大切なお子さまのご移動に際し、JALの翼をお選びくださり、ありがとうございました」
そこには、息子が機内で緊張した様子もなく過ごしていたこと、飲み物サービスでコンソメスープを頼んだことまで書かれていた。
そして最後に、
「初めてのお一人旅の思い出になればと思い、スープの粉をお渡しします」
と添えられていた。
私はカードを読みながら、涙がこぼれた。
航空券を渡して終わりではない。
子どもの小さな表情や選んだ飲み物まで見守り、その時間を親にも伝えてくれた。
息子は帰宅すると、胸を張って言った。
「次も1人で行けるよ」
私は手書きのカードとスープの袋を、息子の思い出箱へ大切にしまった。
初めて親の手を離れて飛んだ日。
息子を東京まで運んでくれただけでなく、「自分にもできた」という自信まで持ち帰らせてくれた。
やっぱり、JALの対応は神すぎると思った。
現在、JAL国内線では6・7歳を対象に、希望により11歳まで、子どもだけの旅行を支援する搭乗サポートが案内されています。