来年の納付書が届く前から、街の空気はどこか落ち着かない。財務省が「軽自動車の優遇は不公平だ」として、長年660cc以下で親しまれてきた軽自動車の枠を見直し、排気量を770ccへ引き上げる計画を進めている――そんな話が広がっていたからだ。表向きの理由は「安全性向上」。しかし現場の生活者が感じるのは、別の匂いだった。
会社員の佐藤は、帰宅途中に車の維持費を計算し直していた。
いまの軽自動車税は年1万800円。普通車の3分の1以下で済む、家計にとっては大きな救いだ。だが、計画どおり排気量の枠が上がれば、軽自動車税は1万800円から2万円へ上がり、車検ごとの重量税も6600円から1万円程度へ引き上げられる可能性があるという。さらに車体サイズの拡大まで検討されていると聞けば、駐車場の条件や保険料にも波が及ぶ。生活の足がじわじわ締め付けられる感覚に、佐藤は言葉を失った。
「何でもかんでも増税しやがって」――職場でも、コンビニのレジ前でも、そんな怒りが漏れていた。佐藤自身も同じだ。だが、その一方で、役所の窓口に勤める知人から、耳打ちされるように聞いた話があった。
「来年の自動車税、“免除”になる人がいる。しかも年最大4.35万円が0円になる可能性がある。ただし、期限を過ぎると容赦なく課税される」。その瞬間、佐藤の頭の中で、増税の不安と“免除”の希望がぶつかった。
翌日、佐藤は市の税担当窓口へ向かった。受付の職員は丁寧な口調で、しかし淡々と説明した。自動車税(種別割)の免除・減免は、誰でも自動的に適用されるものではない。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=9fu8oBws6LE,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]