【年最大4.35万円が0円】――その見出しが流れた朝、霊夢は台所で税金の封筒を睨み、思わず声を荒らげた。
「なんで古い車って、年々税金が上がるのよ。理不尽だわ」
湯気の向こうで魔理沙は落ち着いて答える。
「“13年超重課”だ。登録から13年を超えた車は、環境負荷が高いという建前で自動車税が約15%上がる」
「15%も? 古いだけで罰金みたいじゃない」
「その通りだ。だが今、その仕組み自体が見直される潮目にある。来年の自動車税“免除”が、現実の制度として動き始める」
魔理沙が差し出した資料には、赤字でこう記されていた。免除の上限は4.5万円、年最大4.35万円が0円――ただし申請期限あり。
霊夢は目を見開く。
「対象は誰なの?」
「生活負担の軽減が軸だ。自治体の案内に従う必要はあるが、条件を満たせば負担が一気に落ちる。
特に車が生活の必需品になる地域ほど効果は大きい」
「でも、どうして急に?」
魔理沙は短く切り出した。
「日本の車関連税は長年“当たり前”として積み上がってきた。象徴がガソリン税の暫定税率だ。1974年に“一時的”に始まり、約50年も続いた」
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください