「……また払うのか?」
帰宅して郵便受けを開けた瞬間、私はその場で固まった。
封筒に書かれていたのは、介護保険料納入通知書。
合計額は、9万3200円だった。
つい先月、住民税として12万円を納めたばかりだ。
わずか2か月で、20万円を超える負担。
だが、私の手取り給料は月15万円にも届かない。
家賃。
光熱費。
食費。
交通費。
それらを払えば、毎月ほとんど何も残らない。
私は通知書を握ったまま、しばらく動けなかった。
「これを払ったら、来月の家賃はどうするんだ……」
翌朝、私は給与明細を持って市役所へ向かった。
番号を呼ばれ、窓口で事情を説明した。
「先月12万円を払ったばかりなんです」
「今の手取りは15万円未満です」
「それなのに、なぜ9万3200円になるんですか?」
担当者は通知書を一度見ただけだった。
そして、淡々と言った。
「前年度の所得を基準に計算されています」
「システムで算出された金額ですので、間違いはありません」
あまりにも冷たい言い方だった。
まるで、払えない私が悪いと言われているようだった。
後ろで順番を待つ人たちの視線も気になった。
「去年はそれだけ稼いだんでしょ」
そんな小声まで聞こえてきた。
確かに、前年の途中までは今より収入が多かった。
だが、会社の業績悪化で退職を余儀なくされ、その後は数か月間無職だった。
再就職できた今も、以前より給料は大幅に下がっている。
私はもう一度、担当者に伝えた。
「今の収入状況も確認してもらえませんか?」
しかし、返ってきた言葉は同じだった。
「通知書に記載された金額を納めてください」
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