夫が亡くなって十日目のことでした。
私は四十五歳。夫の拓哉と出会ったのは大学時代で、そこから二十年以上、人生の大半を共に歩んできました。
拓哉は地元の高校で国語教師をしていました。派手なことを好まず、誠実で、どこまでも真面目な人でした。周囲からは「面白みがないくらい堅実な人」と言われることもありましたが、私はそんな彼の優しさを誰よりも理解しているつもりでした。
しかし、その夫は突然、私の前からいなくなりました。
心筋梗塞でした。
朝まで普通に会話をしていた人が、数時間後にはもう帰ってこない。
現実を受け止められないまま葬儀を終え、私は相続の手続きのために、夫が残した通帳や書類を整理していました。
その時、一つの振込履歴が私の目に入りました。
毎月三万円。
振込先の名義は、見覚えのない若い女性の名前でした。
一度だけではありません。
何度も、何年も、同じ相手に送金されていました。
期間を確認すると、なんと十五年間。
私は画面を見つめたまま、しばらく動くことができませんでした。
「拓哉は、私の知らない女性に十五年間もお金を渡していたの?」
頭の中に、最も考えたくない疑念が浮かびました。
二十年以上一緒に暮らしてきた夫。
休日の過ごし方も、好きな食べ物も、口癖も知っていると思っていた人。
その人に、私が知らない秘密があった。
胸が締め付けられるような気持ちでした。
さらに整理を続けていると、葬儀の際に受け取った香典袋の中から、一枚のカードが出てきました。
そこには、通帳に記されていた女性の名前と電話番号が書かれていました。
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引用元:https://www.youtube.com/shorts/nW4FeQ14NgA,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]