高校時代の俺、佐々木たくとは、正直言って落ちこぼれだった。
みんなと同じ勉強、同じ意見。それが窮屈で、成績はいつも下から数えたほうが早かった。友達もできず、1人の時間を持て余す毎日。
そんな俺を見かねて、父が言った。
「本気で何かをやり遂げたことはあるのか」
その一言で、俺は変わった。
目標は、県内トップの進学校に主席で入学すること。ひたすら勉強し、結果を出した。
入学後は周りのレベルの高さに刺激を受けたが、なぜか同じ上位成績の千明にはいつも睨まれた。理由を聞いても「気のせいよ」とはぐらかされるだけ。それでも唯一、市議会議員の息子である勇気だけは、俺に気さくに話しかけてくれた。友達と呼べる存在ができたことが、素直に嬉しかった。
しかしその頃から、俺の持ち物が消えたり、根も葉もない噂が流れたりするようになった。勇気はそのたびに心配して声をかけてくれた。「千明がお前の机の周りをうろついていた」と。
ある朝、俺は校長室に呼び出された。そこには見覚えのない不良たちが並び、「お前に暴行された」と口を揃えた。
俺の鞄からは、身に覚えのないメリケンサックとタバコが出てきた。
否定しても、誰も聞いてくれなかった。証言したのは、クラスの誰か。その場で退学が決まった。
教室を出た俺を追いかけてきたのは勇気だった。「大丈夫か」と気遣う顔を見て、少しだけ救われた気がした。だがその表情は、次の瞬間、歪んだ笑いに変わった。
「お前ははめられたんだよ。
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