「安い!これは買うしかない!」
スーパーの精肉コーナーで、豚こま切れが特売になっているのを見つけると、私はつい1kg近くまとめて買ってしまう。
家族4人。炒め物、豚汁、焼きそば、生姜焼き。
豚肉はいくらあっても困らない。
……問題は、家に帰ってからだった。
冷蔵庫へ入れる前に待っているのが、あの「小分け作業」。
大きなパックを開け、ラップを広げ、200gくらいずつ量を見ながら肉を置く。
包む。
またラップを切る。
包む。
さらに保存袋へ入れる。
買い物袋を片づけたいのに、夕飯も作らなければならない。
気づけばキッチンの上はラップと肉でいっぱい。
ある日、私が5つ目の包みを作っていると、夫が横から言った。
「そんなに面倒なら、大容量を買わなきゃいいじゃん」
その一言に、私は手を止めた。
「安いから買ってるの!」
「でも時間かかってるじゃん」
確かにその通り。
でも、少量パックを何個も買えば割高になる。
安い時にまとめて買いたい。
ただし小分けはしたくない。
この矛盾、主婦なら分かってくれるはずだ。
その翌週。
また精肉コーナーへ行くと、ちょっと変わった豚肉が目に入った。
320g、税込478円。
しかもパックの中で、肉がすでに数個に分けられ、それぞれラップで包まれているように見えた。
「えっ、これ……最高じゃない?」
思わず近づいて二度見した。
だいたい1回分ずつ。
帰ったら、このまま必要な分だけ冷蔵庫や冷凍庫へ入れればいい。
包丁もまな板も不要。
ラップを何回も切る必要もない。
値段だけを見れば、大容量パックより少し割高になることもある。
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