夫の出張が決まったのは、出発する直前だった。
予定していた担当者が急に行けなくなり、代わりに夫が向かうことになった。
交通手段を確保したあと、残っているホテルを慌てて探した。
駅の近くは満室ばかりで、ようやく見つけたのがシングルルームだった。
「寝るだけだから、どこでもいい」
夫はそう言って予約し、仕事を終えたあとホテルへ向かった。
チェックインを済ませ、渡された鍵で部屋を開けた。
その直後、私のスマホにメッセージが届いた。
「部屋に着いた」
続けて送られてきた写真を見て、私は最初、夫が部屋を間違えたのだと思った。
写っていたのは、ホテルの客室というより宴会場だった。
広い畳の間に天井照明がいくつも並び、壁際にはテレビ、冷蔵庫、電気ポットが置かれている。
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