「明日から来なくていい」
9月6日の朝、出社した私を待っていたのは、総務部の壁に貼られた1枚の紙だった。
そこには大きく、
「懲戒処分のお知らせ」
と書かれていた。
対象者は営業部所属の社員1名。
……私だった。
頭が真っ白になった。
理由を読むと、さらに言葉を失った。
「始業時刻ではなく、コーヒーを飲み終えた時刻を仕事開始としていた」
「進捗を聞かれるたび『今ちょうどやろうと思ってました』と回答した」
「勤務時間中にwakoを利用し、取引先とマッチした相手への返信を優先した」
ここまでは、正直に言えば反省すべき点もあった。
でも、その下を読んだ瞬間、私は眉をひそめた。
「注意した上司に『でも、返信が早い人って信用できますよね』と反論」
さらに、
「社長から直接注意を受けた際、『社長もさっきwakoでオンラインでしたよね?』と発言」
最後にはわざわざ、
「なお、社長のオンライン状況は本件とは関係ありません」
と書かれていた。
その一文だけで、社内は妙な空気になった。
同僚が小声で言った。
「いや……最後のやつ、図星だったから怒られたんじゃないの?」
私は笑えなかった。
確かに勤務中に私用スマホを触った。
それは謝る。
でも、昨日まで上司からは、
「次から気をつけて」
と言われていただけだった。
始末書もない。
正式な面談もない。
ところが社長のオンライン状況を口にした翌朝、突然の懲戒処分。
しかも総務部長からは、
「会社の秩序を乱したので、本日付で退職扱いになります」
と告げられた。
私はそこで初めて言った。
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