9月8日の午前中。
岡崎の中央地域福祉センターで用事を済ませ、駐車場へ戻った私は、その場で足が止まった。
「……え?」
停めていた白い車の右後方が、見るも無残に潰れていた。
バンパーは大きくへこみ、側面まで押され、部品の一部が地面に落ちている。
数十分前まで、何の傷もなかった車だった。
幸い、私は施設の中にいたため怪我はない。
でも、もっと信じられなかったのは――
ぶつけた相手が、何も言わずにそのまま逃げていたことだった。
フロントガラスにメモもない。
連絡先もない。
もちろん、謝罪の言葉すらない。
私はすぐ施設の職員さんに事情を説明し、警察にも連絡した。
すると、近くにいたという人から、
「黒いプリウスみたいな車が、ぶつけたあと急いで出て行った気がします」
という話が出てきた。
ただ、ナンバーまでは見ていなかった。
警察官も周囲を確認してくれたが、その時点では決定的な情報は見つからなかった。
車の損傷を見る限り、軽くこすった程度ではない。
こちらがこれだけ潰れているなら、相手の車にも相当な傷が残っているはずだった。
悔しかった。
事故そのものより、
「誰も見ていないなら逃げればいい」
と思われたような気がして、どうしても納得できなかった。
そこで私は、壊れた車の写真と時間、場所、目撃された車の特徴を書いて、情報提供を呼びかけることにした。
「9月8日午前中、岡崎の中央地域福祉センターです」
「黒のプリウスらしき車を見た方はいませんか」
正直、期待は半分だった。
ところが、その日の夕方。
1件のメッセージが届いた。
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