小学校の同窓会の案内が届いたのは、先月のことだった。
幹事から送られてきた出欠表を何気なく眺めていて、一つの名前に目が止まった。
「杉本 雪 出席」
思わず二度見した。
雪は、5年生の2学期の途中で突然転校した同級生だった。
転校すると聞かされたのは、本当に直前だった。
理由は、
「家庭の事情」
それだけ。
クラスのみんなも、それ以上詳しいことは知らなかった。
そして、そのまま20年。
一度も同窓会に来たことはなかった。
その日の夜、幹事のタカシにメッセージを送った。
「雪のところ、もう出席になってるけど、誰か連絡取れたの?」
返事はすぐに来た。
「俺じゃないよ。佐伯先生」
「先生?」
「先生から『雪さんも出席でお願いします』って連絡が来た」
ますます分からなくなった。
佐伯先生は、私たちの5年生のときの担任だった。
もう退職している。
なぜ今になって、先生が雪を探してまで同窓会へ誘ったのか。
数日後、私は先生の家を訪ねた。
久しぶりに会った佐伯先生は、髪がすっかり白くなっていたが、話し方は昔とほとんど変わっていなかった。
「雪さんのこと、聞きに来たんでしょう」
私が切り出す前に、先生から言われた。
「はい。どうして今回、先生が連絡したんですか?」
先生は少し黙った。
それから、
「雪には、ずっと謝らなきゃいけないと思ってたんだ」
と言った。
私は意味が分からなかった。
雪の両親は、当時離婚の話し合いをしていた。
最終的に雪は母親と一緒に、母方の実家がある町へ移ることになった。
そこまでは、私たちが聞いていた話と大きく違わない。
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