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焼き鳥店の入口に「全員1杯注文、水だけの客は他店へ」車で来た友人「入る前に戦力外か…」→後日、私が1人で入店して分かった“強すぎる貼り紙”の理由
2026/08/27

仕事帰り、友人と評判の焼き鳥店を訪れた。

駅前の路地には赤い提灯が揺れ、店の前まで炭火の香りが漂っている。同僚から「焼き鳥が本当にうまい」と聞き、楽しみにしていた。

しかし、入口に置かれた白いボードを見て、私たちは足を止めた。

「当店は呑み屋です」

「必ず全てのお客様にお酒をご注文いただきます」

さらに、その下にはこう書かれている。

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「水だけでいい、我慢する、焼鳥が美味しいと聞いた等の理由は一切受け付けておりません。どうぞ他店へ行かれてください」

友人は車で来ていたため、酒を飲めない。

「俺、入る前に戦力外通告されたな」

友人は苦笑したが、私は少し引っかかった。

運転する人だけでなく、体質や服薬のため酒を飲めない人もいる。焼き鳥だけを楽しみたい客へ、ここまで強く言う必要があるのだろうか。

そのとき、若い男女のグループが店主と話し始めた。

「私たち飲まないけど、焼き鳥だけじゃダメですか?」

「申し訳ありません。うちは酒と料理を楽しんでいただく店です」

「酒を1杯頼んで、飲まなければいい?」

「飲酒を無理に勧めることはできません。

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合わない場合は別のお店をご利用ください」

店主は怒鳴らず、淡々と断った。

グループは不満そうだったが、やがて別の店へ向かった。

改めてボードを見ると、ほかにも「騒ぐ」「香水がきつい」など、店の迷惑になる客は入店後でも退店を求めると書かれていた。

狭い店内に少ない座席。毎日炭を起こし、串を仕込み、酒と料理の売り上げで店を維持する。

炭火の香りを大切にしている場所では、強い香水や大声も周囲の客の楽しみを損なう。

この貼り紙の裏には、きっと過去に何度も繰り返されたトラブルがあるのだろう。

私たちは入口で争わず、近くの定食屋へ移動した。友人は焼き魚定食、私は瓶ビールを注文した。

「客が我慢するって言っても、店のほうがもう我慢できなかったんだろうな」

友人の一言に、妙に納得した。

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後日、私は電車でその焼き鳥店を再訪した。店の決まりを理解したうえで酒を1杯注文すると、焼き鳥は評判どおりだった。

店内は静かで、炭の弾ける音が聞こえる。強い香水も、大声で騒ぐ客もいない。

無愛想に見えた店主は、焼き台の前では一本一本の串を真剣に見つめていた。

あの貼り紙は、すべての客を歓迎するためのものではない。

店が守りたい空気と、それを好む客を守るための境界線だったのだ。

店には店の方針があり、客にも店を選ぶ自由がある。

合わなければ争わず、別の店へ行けばいい。

ただ、「どうぞ他店へ行かれてください」という言葉の切れ味だけは、今でも入口に置かれた店主の必殺技だと思っている。

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