大掃除の目的は、乾電池や充電ケーブルでいっぱいになった引き出しを整理することだった。奥に引っかかっていた電池のパックをどかすと、その下から黒い布袋が出てきた。
中に入っていたのは、ずっしり重い金色の喜平ネックレスだった。
見覚えがあった。結婚して間もないころ、夫が何度か着けていたものだ。
約10年前の引っ越し後に見当たらなくなり、本人も「どこかで落とした」と諦めていた。
念のため留め具を確認すると、小さく「K18」と刻印されている。台所のはかりに載せると表示は45g。数字を見た瞬間、私は冗談半分で「見つけた人がもらってもいいのでは」と考えた。
ただ、刻印があっても本物とは限らない。私はネックレスと表示を写真に撮り、夫へ「昔なくしたネックレスって、太いチェーンだった?」とだけ送った。
返事はすぐ来た。
「そうだけど、なんで?」
写真を送ると電話が鳴った。
「それ、どこにあった?」
「電池を入れていた引き出し」
「触らず、そのまま置いておいて」
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