「ママ、スマホ10分だけ貸して!」
最近、末娘が何度もそう言ってくるようになった。
小学生の娘に自分のスマホを渡すことは普段ほとんどない。
でも、その日は珍しく「友達に連絡したい」と言うので、
「10分だけだよ」
そう約束して渡した。
最初はゲームでもしているのかなと思っていた。
動画を見たり、写真を撮ったり。
小学生ならそんなものだろうと思っていた。
でも、返してきた娘の表情が少し気になった。
「何してたの?」
聞いても、
「別に〜」
と笑うだけ。
なぜか胸に引っかかった。
そして数分後。
スマホの通知を整理していた時、私は偶然あるメッセージ画面を見てしまった。
そこには、最近学校に来られていない娘の友達とのやり取りが残っていた。
送られていた文章は、たった数行。
でも、その内容を読んだ瞬間、私は言葉が出なくなった。
「夜遅くごめんね」
「最近学校来れてないけど大丈夫?」
「学校に来れない日でも遊べるよ!」
「体調良い日に連絡して!また遊べる?」
そこには、責める言葉も、理由を聞く言葉もなかった。
「なんで学校来ないの?」
「いつ戻ってくるの?」
そんな大人が簡単に言ってしまいそうな言葉は一つもなかった。
ただ、
「あなたが来られない日でも、私は友達だよ」
という気持ちだけが詰まっていた。
私は画面を見ながら、思わず涙が出た。
実はその友達のことは少し前から聞いていた。
以前は毎日学校に来ていた子。
休み時間には一緒に遊んでいた子。
でも、ある時から学校に来る日が減っていった。
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