玄関先で、夫が泣き叫んでいた。
「誤解だ!本当に誤解なんだ!」
「ただの部下だって、何度言えば分かるんだ!」
その声は震えていて、必死で、そして――あまりにも往生際が悪かった。
私は何も言わなかった。
叫び返すことも、責め立てることもしなかった。
その代わり、横に立つ探偵さんに、静かに視線を送った。
次の瞬間、彼は一枚の写真を取り出し、義母の前に差し出した。
それは、夫と女がラブホテルに入っていく瞬間をはっきりと捉えた写真だった。
時間も、場所も、逃げ場はない。
義母は最初、信じようとしなかった。
「何かの間違いでしょ」
「この子に限って、そんなこと…」
そう言って、必死に息子をかばおうとした。
それが母親なのだと思う。
でも、写真をじっと見つめたまま、義母の膝がゆっくりと崩れ落ちた。
「あんた……なんてことしてくれたの……」
その声は、怒りというより、失望だった。
さっきまで玄関で大声を張り上げていた夫は、その瞬間、完全に黙り込んだ。
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