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孫の入学祝いに、義母が贈ってきたランドセルの内側に、私の知らない別の子どもの名前が、小さく刺繍されたまま残されていた
2026/08/18

孫の小学校入学を控え、義母から立派な革のランドセルが届いた。

「私からのお祝いよ。うちの子たちも、みんなこれを使ってたの」

そう聞いていたので、代々受け継がれてきたものかと思い、ありがたく受け取った。

孫と一緒に箱を開け、中身を確認していたとき、内側の名札部分に、小さな刺繍があるのに気づいた。

そこには、うちの孫の名前ではない、聞いたことのない女の子の名前が、丁寧な字で刺繍されていた。

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一瞬、頭が真っ白になった。

もしかして、義母が過去に育てていた、私たち夫婦の知らない子どもがいたのではないか。

そんな想像まで浮かんでしまい、聞くに聞けないまま、数日が過ぎた。

思い切って、電話で義母に尋ねてみることにした。

「ランドセルの内側に、知らない名前の刺繍があったんですが」

義母は少し驚いた声を出したあと、事情を説明してくれた。

「ああ、それね。近所の刺繍工房にお願いして名入れしてもらったんだけど、初回、別の注文と間違えられてしまって」

先に名前を入れる依頼が重なり、工房の担当者が、別の家族の注文票を見間違えて刺繍してしまったのだという。

義母は、その名札部分だけを新しく作り直してもらうよう、すでに工房に頼んでいた。

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「あなたたちに渡す前に気づいて、直してもらうつもりだったんだけど、渡すタイミングがずれて、間に合わなかったみたいで、ごめんなさいね」

数日後、正しい名前が刺繍されたランドセルが、あらためて届いた。

前のランドセルの名札部分は、義母が自分で持ち帰り、工房に返品したという。

孫は、新しいランドセルを背負って、鏡の前で何度も自分の名前を確かめている。

あの日、勝手に膨らませてしまった想像のことは、義母には話さないままでいる。

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