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引っ越していった隣人の郵便受けに、3日おきに同じ茶封筒が届き続けていた。差出人の名前を確認しようとした矢先、その封筒だけが忽然と姿を消していた
2026/08/18

隣の部屋の住人が引っ越していったのは、2週間前のことだった。

引っ越しの挨拶もなく、ある日突然、荷物がなくなっていることに気づいた。

けれど、その後も、隣の部屋の郵便受けには、3日おきに同じ茶封筒が届き続けていた。

差出人の欄には、聞いたことのない会社名らしきものが、小さく印字されていた。

気になって、管理会社に連絡してみた。

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「転居届は出されているはずですので、郵便局側で転送されるかと思います」

それにしては、封筒が届き続けているのが不思議だった。

ある夕方、郵便受けの前を通りかかったとき、その封筒がちょうど届いているのが見えた。

差出人の名前を確認しておこうと、少し立ち止まった。

けれど、その日は結局、他人の郵便物に手を出すのは気が引けて、確認せずに部屋に戻った。

数日後、あらためて確認しようと郵便受けの前に立つと、その封筒は、もうそこになかった。

代わりに、郵便受けの扉には、管理会社の名前で「転送手続き完了のお知らせ」という小さな紙が貼られていた。

管理会社に確認すると、担当者はこう説明した。

「先週、郵便局からの依頼で、こちらの空室宛の郵便物について、まとめて転送処理をさせていただきました」

つまり、あの茶封筒は、最終的に元の住人のもとへ、正しく転送されたということだった。

それ以来、隣の郵便受けに、あの封筒が届くことはなくなった。

差出人が何だったのか、あの住人がどんな事情で急に引っ越していったのか、結局、確かめる機会のないまま今に至っている。

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