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数年に1度すれ違うだけの双子の弟。夏に実家へ帰ると、色違いの「私と同じ車」が停まっていた→2台の契約書を並べて分かった事実に背筋が凍った…
2026/08/25

実家の駐車場に入った瞬間、私は思わずブレーキを踏んだ。

そこには、見覚えのある四角い車が止まっていた。

私の車と同じジムニー。色こそ違うものの、グレードもホイールも、後部のスペアタイヤまでほとんど同じだった。

「え、私の車がもう1台ある……?」

すると玄関から母が出てきて、平然と言った。

「ああ、それ弟の車よ」

実は私には双子の弟がいる。

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けれど、仲が悪いというより生活が完全に別々で、会うのは数年に1度。連絡先は知っているが、必要がなければ会話もしない。

仕事も住む場所も違い、車の相談など一度もしたことがなかった。

そこへ弟が庭から現れ、私の車を見て足を止めた。

「……なんで同じ車に乗ってるの?」

「それはこっちの台詞なんだけど」

久しぶりの会話が、まさかの疑い合いから始まった。

弟は「俺が先に買った」と言い、私も「真似なんてしていない」と反論した。母は玄関先で、「双子って怖いわね」と面白そうに笑っている。

気まずい沈黙のあと、弟が車検証を持ってきた。

私も自分の車検証と契約書を取り出し、購入日を確認することにした。どちらかが家族から聞いて、無意識に真似した可能性もあると思ったからだ。

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ところが、書類を並べて私たちは言葉を失った。

契約日は同じ月。

しかも納車日は、わずか1日違いだった。

購入した販売店は別々で、私は県外の店、弟は地元の店。互いの購入を知る方法はなかった。

さらに比べてみると、選んだオプションまで似ていた。カーナビは同じメーカー。ドライブレコーダーも同じ型。車内には同じ場所にティッシュ箱が置かれ、傘まで同じ向きで積んであった。

「ちょっと待って。これはさすがに怖い」

弟が真顔で言った。

私も笑いたかったが、背中が妙に寒くなった。

母はスマホで2台を撮影しながら、「小さい頃も同じ日に同じ場所をケガして帰ってきたよね」と、余計に怖い話まで始めた。

その後、弟と私は初めて車について長く話した。

選んだ理由も同じだった。

「見た目が好き」「狭い道を走りやすい」「長く乗れそう」。

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疎遠になっていても、好みの根っこは変わらないらしい。

帰る頃、弟が少し照れながら言った。

「今度、2台で出かける?」

私は「色違いで並んだら目立ちすぎる」と笑いながらも、その場で連絡先を登録し直した。

数週間後、私たちは2台のジムニーで山へ出かけた。

数年に1度すれ違うだけだった双子が、同じ車を選んだことで、再び話すようになったのだ。

夏の実家で遭遇した“自分の車の分身”。

最初は少し怖かった。

でも本当に不思議だったのは、どれだけ離れていても、私たちがやはり双子だったことなのかもしれない。

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