「彼女に子供ができた」
その言葉を聞いた時、
私は驚きませんでした。
むしろ、
やっと終わるのだと思いました。
15年間の結婚生活。
その最後に、
夫が私へ向けた言葉は、
謝罪でも感謝でもありませんでした。
「母さんの介護は続けろ」
それだけでした。
私の名前は望美。
夫の明夫と結婚して15年になります。
結婚した頃の明夫は、
優しい人でした。
私が困っている時は助けてくれて、
一緒にいる時間が楽しかった。
だから私は、
この人と家庭を作っていきたいと思いました。
しかし、
3年前にすべてが変わりました。
義母が脳の病気で倒れたのです。
医師から告げられたのは、
要介護4という状態でした。
日常生活の多くに介助が必要。
簡単な付き添いではありません。
私は夫と話し合いました。
施設という選択肢もある。
訪問介護を増やす方法もある。
夫婦で考えなければいけないと思っていました。
しかし明夫は言いました。
「お前、仕事辞めてくれ」
「母さんの面倒を見るのは家族だろ」
私は戸惑いました。
でも義母は、
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