夫の京介と結婚した時、私はまさか数年後にこんな結末になるとは思っていませんでした。
付き合っていた頃の京介は、優しくて穏やかな人でした。
私の話を聞いてくれる。
困った時には助けてくれる。
だから私は、この人となら幸せな家庭を作れると思っていました。
結婚後、私たちは共働きをしながら生活していました。
家のことも、生活費も、できる限り2人で協力してきたつもりでした。
しかし、少しずつ京介の考え方は変わっていきました。
ある時から、
「家の名義は俺にしたい」
「車も俺の名前にしたい」
と言うようになったのです。
その時は深く考えませんでした。
夫婦なのだから大丈夫。
そう思っていました。
でも、その考えが間違いだったと気づくまで、時間はかかりませんでした。
ある日、仕事から帰宅すると、家の中の様子がおかしいことに気づきました。
私の部屋だけが、きれいに空になっていたのです。
服もありません。
家具もありません。
大切にしていた私物もありません。
私は混乱しました。
「何が起きたの?」
すると京介は、まるで大したことではないように言いました。
「母さんが来るから、お前の部屋を空けた」
私は言葉を失いました。
「お母さんが来るって何?」
「これから同居するんだよ」
聞いていませんでした。
義母が一緒に住むことも。
私の部屋を渡すことも。
何も。
京介は当然のように続けました。
「事前に言ったら反対するだろ」
その瞬間、私は理解しました。
この人は相談しなかったのではない。
最初から私の意見を聞くつもりがなかったのです。
私は聞きました。
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