私は30歳で夫と結婚しました。
夫とは会社の飲み会で知り合い、趣味や生活の感覚がよく合いました。
付き合っている頃、夫はよく実家から届いた野菜を持ってきてくれました。
「母さん、料理しないって言ってるのに大量に送ってくるんだよ」
そう言いながら困ったように笑う夫。
その時の私は、
「優しいお母さんなんだな」
と思っていました。
夫の実家は田舎で農業をしていて、季節ごとの野菜を送ってくれる義母は、私にとってありがたい存在でした。
その後、夫の父親が腰を悪くしたことをきっかけに、夫は実家近くへ戻ることを決めました。
私は悩みました。
せっかく就職して、仕事でも認められるようになったばかりだったからです。
それでも夫を支えたいという気持ちが勝ち、結婚して田舎へ引っ越しました。
義両親との同居ではなく、近くに別の家を借りることになり、私は少し安心していました。
初めて義実家へ挨拶に行った時、義母は優しく言いました。
「もう家族なんだから、何でも相談してね」
知らない土地で暮らす私にとって、その言葉は心強いものでした。
しかし、一緒に暮らし始めてすぐ、私は義母の本当の性格に気づくことになります。
最初の違和感は、近所案内の日でした。
義母は、
「この辺の人には挨拶しておいた方がいいから」
と言って、近所の家を次々訪ねました。
10軒以上。
私は笑顔で挨拶を続けましたが、相手の人たちはどこか戸惑った表情をしていました。
義母は私の経歴や夫との出会いまで、楽しそうに話していました。
その時、
「少し距離感が独特な人なのかもしれない」
と思いました。
でも、その程度ならまだ我慢できました。
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