冬のある日の午後、久しぶりに息子から電話がかかってきた。
「父さん、母さん。今年の冬休み、夫婦でそっちに遊びに行くことにしたよ」
その言葉を聞いた瞬間、私は胸の奥が少し温かくなるのを感じた。息子が結婚してからというもの、以前のように頻繁に会うことはなくなっていた。仕事や生活が忙しいのは分かっていたし、遠く離れて暮らす息子夫婦が訪ねてくれることは、親として素直に嬉しかった。
「そうか、それは楽しみだね。いつ来るんだい?」
私が尋ねると、息子は日程を伝えてきた。
「冬休みに入ったらすぐ行くよ。数日泊まらせてもらうつもりだから」
私は妻と顔を見合わせた。
「久しぶりだし、家をきれいにしておかないとね」
妻も嬉しそうに笑っていた。
しかし、その後の息子の言葉で、私たちの表情は少しずつ変わっていった。
「それとさ、母さんにお願いがあるんだけど」
「何?」
「僕たち、普段外食が多いから、家では健康的な食事がしたいんだ。専用のメニューを考えておいてくれる?」
妻は一瞬黙った。
もちろん、息子のために料理を作ること自体は嫌ではなかった。しかし、息子夫婦が帰省するたびに「母さんの料理が食べたい」と言われ、妻は何日も前から献立を考え、買い物をし、準備をしてきた。
それでも妻は優しく答えた。
「分かったわ。好きなものを作るね」
すると息子はさらに続けた。
「あと、家のWi-Fiって少し遅いよね?仕事のメールも確認したいし、動画も見たいから、新しいルーターに変えておいてくれる?」
「それから寝具なんだけど……」
私は嫌な予感がした。
「今使っている布団、少し古いよね?せっかくだから新しい布団を用意してもらえる?」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=F9GM8skbz4c&t=73s,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]