朝、工場へ到着した私は、入口の前で思わず車を止めた。
見知らぬ黒いハイエースが、敷地の奥へ斜めに突っ込むように停まっていた。
一瞬、取引先の車かと思った。
しかし、そんな予定は聞いていない。
車体は社用車のすぐ横まで迫り、前方の車を外へ出すことができない状態だった。
さらにひどかったのは、ハイエースの後ろだった。
建物の扉へ、ほとんど隙間がないほど接近している。
その扉の奥には、従業員が使うトイレがある。
ドアノブを回しても、扉は車体に当たり、数センチしか開かなかった。
「うそだろ……」
私は何度か角度を変えてみた。
だが、どこから見ても状況は同じだった。
車は出せない。
トイレにも入れない。
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