出張前夜、夫の鞄を整理していた私は、内ポケットから折り畳まれた手紙を見つけた。
宛名は「みなみちゃんへ」。
嫌な予感を抱きながら開くと、最初にはこう書かれていた。
「この間は告白してくれて嬉しかったよ。けど俺自身、結婚している身だから付き合えないよ」
ここまで読んだ私は、少しだけ安心した。夫はきちんと断っている。勝手に疑った自分を恥ずかしく思い、手紙を戻そうとした。
しかし、その下に続く文章を見て手が止まった。
「だけど職場も同じだし、お互い働きやすい環境がいいから、一度2人でご飯に行こう?それでお互いの関係を深めていこう」
さらに最後には、
「LINEは嫁に見られると困るから、職場では手紙か社内メール。プライベートだったらPayPayで連絡してきて!!」
付き合えないと言いながら、2人きりで食事に行き、妻に見つからない方法で連絡を取ろうとしている。
これは断りの手紙ではない。どう読んでも、妻に隠して関係を続けるための招待状だった。
私はすぐに手紙を撮影した。ただし、夫には何も言わなかった。
翌朝、夫はいつも通りの顔で「出張、3日間だから」と家を出た。
見送った直後、私は夫と共有しているカードの利用履歴や予定表を確認した。
すると、出張先だと聞かされていた場所とは別の駅近くで、2名分のレストラン予約が見つかった。その日の夜には、PayPayの送金履歴も残っていた。相手の表示名は「M」。
夫が帰宅すると、私は笑顔で夕食を用意した。
「出張、お疲れさま。仕事は順調だった?」
「ああ、忙しかったよ。
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